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書籍情報 あらすじ 既刊一覧 関連リンク 書籍情報 タイトル 魔王になったら領地が無人島だった 著者 昼寝する亡霊 イラスト ジョンディー 出版社 マイクロマガジン社 レーベル GCノベルズ Nコード N9452CD 連載開始 2014年 06月21日 あらすじ ひょんな事から異世界に転生した凪。彼が生まれたのはなんとモンスターの村だった。魔族として生まれ変わり、カームと名付けられたはいいものの、文明レベルの低い異世界の生活は不便すぎた。さらに、幼馴染である肉食系の鬼っ娘が必要以上に迫ってくるしで、気が休まらない。せっかく手に入れた第二の人生を生活しやすくする為、カームはその手にスコップを持ち、異世界の開拓を始めるのだった!! 既刊一覧 タイトル 発売日 分類 ISBN 値段 詳細ページ ストア ランキングデータ 魔王になったら領地が無人島だった 1 2016年 03月30日 一般書 978-4-8963-7557-2 1,000円 マイクロマガジン Amazon B☆W 書籍データ 関連リンク Web版 「魔王になったら領地が無人島だった」 特設ページ 魔王になったら領地が無人島だった
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元スレURL 千歌「大人になったら」 概要 夢破れた元スクドル現在シンガー 色褪せた世界でそれでも生きていく彼女たち タグ ^高海千歌 ^Aqours ^シリアス 名前 コメント
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514 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/25(金) 00 59 51 ID JCvlFL/5 さつき姉は携帯電話を折りたたんでポケットにしまうと、僕に向けて手の平をさしだした。 「鍵」 「鍵?」 「鍵は鍵よ。惣一の部屋の扉を開けるための鍵。 今日からしばらく惣一の部屋に泊まることにしたから、荷物を入れておきたいの。 荷物と言ってもバッグひとつだけどね。あ、あともう一つあったわ。 ねえ、部屋の中にキッチンと冷蔵庫はある?」 僕はある、と言ってから頷いた。 さつき姉はコンクリートの廊下の床に置かれている大き目の黒のバッグを右手に持ち、 大きく膨らんだビニール製の買い物袋を左手で持ち上げた。 ビニール袋の中には緑色の野菜と、肉の切り身が入れられているパックが入っていた。 「今からさつきお姉ちゃんが料理を作ってあげる。もうお昼時だから。 肉と野菜の炒めものを作れるぐらいのものは揃っているでしょ?」 「うん」 「じゃあ、早く扉を開けて。あ、あとこれ」 と言うと、さつき姉は僕に向けて真っ黒の旅行バッグを差し出した。 「いろいろ入っているから重かったのよ、それ。 惣一は知らないかもしれないけど、女の子が旅行するときに持っていく荷物は 結構な量になるのよ」 僕はさつき姉からバッグを受け取った。 確かに、僕がひとりきりでぶらぶらと旅行するときに抱える荷物より、さつき姉が 持ってきたバッグは重かった。 しかし、僕が近所のスーパーで3日分の食料をまとめ買いした帰り道で持つ ビニール袋に比べれば軽いものではあった。 左手にさつき姉のバッグを持ち、右手でポケットの中を探って部屋の鍵を取り出して、 201号室のドアを開ける。 毎日嗅いでいる僕の部屋の匂いが、いつものごとく部屋の中に滞っていた。 僕がまず靴を脱いで部屋の中へ入ると、さつき姉が後に続いた。 さつき姉は買い物袋を入り口近くに設置してあるキッチンの上に置くと、深呼吸した。 「ああ、ここ、惣一の部屋の匂いがする。 鼻をつく匂いがなくて、甘い匂いもなくて。すっごく好きだな、この匂い」 僕は、口の代わりに鼻から息を吐き出した。 さつき姉の喋り方が、昔とまるで変わっていなかったことに安堵した。 僕のせいでさつき姉の心が傷ついて、変貌してしまっているのではないかと思っていたからだ。 515 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/25(金) 01 01 35 ID JCvlFL/5 さつき姉は僕の手から黒いバッグを受け取ると、台所の床に置いた。 キッチンには蛇口と流し口と、まな板と包丁と、蛍光灯と冷蔵庫とコンロが置いてある。 さつき姉はいずれも使えるものばかりであることを確認すると、調理を開始した。 まな板と包丁と手をまず洗い、続いてキャベツを水で流し始めた。 僕がさつき姉の行動を観察していると、さつき姉に声をかけられた。 「惣一は座ってなさい。20分もしないうちに出来上がるから」 僕は言われるがまま、キッチンとの居間を仕切るガラスの引き戸をしめてから、 居間に置いてあるテーブルの前に座った。 さつき姉がキッチンで料理する音を聞いていると、急に居間の掃除をしたくなった。 僕は普段から掃除を定期的にしていたし、文庫本を読んだ後は本棚にきちんと収めていた から部屋が散らかったりしていないのだけど、自然と掃除を始めてしまった。 本棚の本を揃えて、机の上のペンとノートを片付けて、コンビニで買ったエロ本を隠した。 畳の上に散らばるホコリや髪の毛をあらかた捨て終わったころ、さつき姉が引き戸を開けて 片手に料理の乗った大皿、片手に皿2枚と箸2膳を持って居間に入ってきた。 両手に持っていたものをテーブルの上に置くと、さつき姉は居間に座り込んだ。 僕も少し遅れて、さつき姉とテーブルを挟むかたちで座った。 さつき姉は僕の前に皿と箸を置くと、同時に自分の前にも同じものを置いた。 「惣一、さつきお姉ちゃん特製の野菜炒めをどうぞ召し上がれ。 特製スパイスを使ったから、大学の食堂の料理よりはおいしいはずよ」 「特製スパイス?」 と、僕は聞き返した。 「そう。香りとコクが段違いに増すのよ」 大皿の上に盛られた野菜と肉の炒めものを、箸を使い手元の皿に移す。 鼻を近づけると、確かに香ばしい匂いがした。 昼飯時で空腹状態の僕にとって、野菜炒めのこしょうと油の匂いは刺激的だった。 いただきますと言った後は、無言のまま箸を動かし、小食のさつき姉と一緒に野菜炒めを 完食した。 516 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/25(金) 01 04 54 ID JCvlFL/5 箸と皿をテーブルの上に置き、満たされた胃を自由にしようとして手を後ろにつく。 少し食べ過ぎたかもしれないが、後悔はしていない。 1人暮らしを始めてから今まで、これだけ美味しい料理を食べたのは初めてのことだった。 自分で料理をしてみようとしたこともあるけど、時間が無いとつい簡単なものですませようと して、結局は自宅で料理をしようともしなかった。 僕は手をついたまま座っていた。さつき姉が冷蔵庫から麦茶をとりだして、 僕の前にコップを置いて麦茶を注いでくれた。 僕は麦茶をすぐに飲まなかった。 まだ、胃が脈を打ったままの状態で何も受け付けてくれない。 テーブルの向こうに座るさつき姉を、ぼんやりと観察する。 さつき姉は肘をテーブルについたまま僕の顔を見ている。 僕は内心、いつさつき姉の癇癪が起こるのかと戦々恐々としていた。 さつき姉に何も言わず、引越しの前日にした約束を守らず、僕は今居るアパートの部屋に 引っ越してきた。 昔からさつき姉は僕が何も言わずにどこかへ行ってしまうと、眉間にしわを寄せて怒った。 けれども僕の目の前にいるさつき姉は眉間にしわを寄せるどころか、目尻と口の端を 緩ませて笑っているようであった。 僕が沈黙のまま胃を休ませていると、さつき姉の唇が動いた。 「惣一が今何を考えているか、当ててみましょうか。 ずばり、私が怒っているのではないかと思ってびくびくしつつ、なんと言って話を 切り出せばいいのか、と考えている。当たりでしょ」 少しは当たっている。僕は無言で首肯した。 「私が怒っているか、怒っていないか。どちらかと言えば怒っている、が正解ね。 久しぶりに惣一とデートできると思って待ち合わせ当日は5時に起きて、 化粧と服がばっちり決まるまで衣装合わせをして、待ち合わせ1時間前に 待ち合わせ場所に到着して、惣一が来るのを待つ。 はにかんだ表情で待ち合わせ場所にくるはずの惣一が引っ越してしまったことを 知ったのは、夜8時になっても帰ってこなかった私を心配した両親からの電話でだった。 10時間も立ちっぱなしだったから、足はパンパンよ」 僕はなんとなく正座をしてしまいそうになったけど、体をまっすぐに起こす程度にとどめた。 「でね、私思ったのよ。このことは絶対に惣一に罪を償ってもらおう、って」 518 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/25(金) 01 11 36 ID JCvlFL/5 さつき姉はそう言ってから、黙り込んでしまった。 対して、僕の額からは汗が噴き出し始めた。 窓から舞い込んできた熱気とは別のもの――荒縄で締め付けられて縄が食い込んでいるが 拘束を解けない状況の焦りの心境――が原因だった。 さつき姉は空になった自分のコップを持って立ち上がった。 「そんなバツの悪そうな顔しなくてもいいわよ。 今すぐに罪を償ってもらおうってわけじゃないんだから」 「じゃあ、いつかはするってこと?」 「ええ、もちろんよ。とびっきりのタイミングで、ジョーカーの代わりに使っちゃうから。 悪いだなんて、私は思わないからね。躊躇無く、堂々とカードを使う。 私を騙したんだから、それぐらいのペナルティはあって当然よね、惣一?」 僕は、口を開けなかった。 さつき姉は、僕が約束を守らなかったことを咎めている。 心の中でさつき姉の言葉を反芻して、僕は自分のやったことについて自分自身を何度も殴った。 殴られ続ける僕のありさまをさつき姉が目にしたら、すぐに許してしまうだろう、というくらいに。 さつき姉は引き戸を閉めると、キッチンで洗い物を始めた。 僕はテーブルに両手を投げ出して、同じように体を乗せた。 開け放たれた窓の向こうからは、せみの声が特によく聞こえてきた。 時々アパートの前の路地を通る車の排気音が聞こえて、同じ道を歩く人たちの話し声が 聞きたくもないのによく聞こえた。 彼、もしくは彼女らの話で「暑い」という単語はよく登場していた。 話す相手が入れ替わるたびに口にしているようにさえ思えた。 僕の体は暑さのせいで熱くもなっていたが、あきらかに一部分だけが異常に熱くなっていた。 具体的には股間に血液が集まり、勃起した肉棒がとても熱くなっていた。 恋人は大学に通っているうちにはできなかったから、性欲を処理するためにマスターベーションは 定期的に行っていた。 加えて、僕はあまり(自分の判断では)性欲が強い人間ではない。 だというのに、今の僕は腰を振って女性の体を貫きたいという単純で強力な欲望に背中を つつかれている。 引き戸の向こうで洗い物をするさつき姉に肉欲をぶつけないよう、腹筋を固める。 今さつき姉がやってきたら、何かの拍子に崩れてしまうかもしれない。 昼食で大量に皿を使っていればよかった、という種類の後悔をしたのはこれが初めてだ。 汗と一緒に性欲が流れ出していってくれればたちまち肉棒は静まってくれるだろうが、 現実では時が経つごとに性欲を強くしていった。 股間が膨らんだ状態では外出できず、またさつき姉が同じ部屋にいる以上マスターベーションを することもできず、僕は惨めな状態のまま夜を迎えることになった。
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8 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/28(月) 01 12 24 ID +PHgdO5s 僕の今までの人生で、女の子との待ち合わせというものをしたことが何度かある。 もっとも、たかが18年程度しか生きていないわけだから、これから送るであろう 人生の中で女の子と待ち合わせの約束をすることもあるだろう。 確信としてではなく、「そうであったらいい」とでも言うべき希望を込めての推測だ。 人生初の待ち合わせの相手は、さつき姉だ。 いつごろに、どんな約束を結んだとかどこに行こうとしていたのか、といったことまでは 覚えていないけれど、さつき姉と出かけたことはあった。 僕とさつき姉は一緒にいる期間が長すぎた。 正確ではないけど、12年以上は近しい関係でいた。 僕たち2人の間は恋愛感情で結ばれているわけではなく、2人が一緒にいることが 当たり前で、理由も無く関係が成立していた。 惰性で結ばれている関係ではなく、逆に新鮮なものを求めて行動しようとしても 僕たち2人が離れることはなかった。 僕がさつき姉以外に興味をひかれる対象が現れるまでは。 僕は中学校2年生のころ、1人の女の子に惚れてしまった。 当時僕が抱いていた感情はどうしようもないほどに巨大で、さらに刺激的過ぎた。 授業中にその女の子のことを思うだけでため息が吐き出され、教科書をめくることを 忘れるほどのものだった。 心を締め付けるもののくせに、上手いところで加減をするから追い出すこともできなかった。 僕の恋愛感情は想うだけのものから、行動することへと変換された。 好きな女の子に興味を抱いて欲しくて勉強をしたし、明るく振舞って話しかけもした。 他にも思い出したくないほど子供っぽい、馬鹿なこともしでかしたりした。 結果的には高校1年生の冬に僕の恋は成就した。 僕と彼女は週に1回デートのために待ち合わせをした。 待ち合わせの場所は、学校の近くにある小さなお店の前だった。 2人で一緒に歩いて買い物に行ったり、散歩に出かけたり、公園でお弁当を食べたりした。 だけど、ある日僕が彼女を自分の部屋に連れて行ったせいで関係がおかしくなりだした。 さつき姉は僕がいないにも関わらず僕の部屋に上がりこんでいた。 僕の彼女はさつき姉を見て、すぐに帰った。 彼女がどんな感情を抱いていたのか完全には把握できないけど、やきもちをやくと同時に 失望したのだろうと僕は思う。 きっと、さつき姉が僕の部屋にいたことのフォローをしっかりしていれば大好きだった恋人を 失わずに済んだのかもしれない。 今となってはどうしようもないことだ。 僕が女々しくも泣いてしまったことだってどうしようもないことだ。 泣くこと以外にどうすればよかったのか。 質問を聞いてくれる相手は周りにいたけど、僕が納得できるような答えを返してくれる相手が いたのかどうかは知らない。 いたとしても、僕はやっぱり聞かなかったんだろうけど。 9 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/28(月) 01 14 31 ID +PHgdO5s 朝の7時だというのに、日差しは夏らしく強かった。 アパートの前に広がる駐車場で山川を待ってからすでに10分が経過している。 部屋の中で待っていてもよかったのだけど、眠ったままのさつき姉を見て山川がなにを言うか 怖かったので、仕方なくこうやって直射日光を浴びて待っているのだ。 今日は僕の住んでいる町の夏祭りが行われる。 夜8時になれば数千発の花火が打ちあがるらしい。 実は、僕は花火大会というものがあまり好きじゃない。 夏祭りにいくのは結構好きだ。太陽の光が差さない時間帯に性別も送ってきた人生も違う 人たちが一箇所に集まってそれぞれに楽しむ。 路地の両脇に並ぶお店はたこ焼き、たい焼き、カキ氷、わたあめ、おもちゃ、かた抜きなど さまざまなもので営業をしていて、活気がある。 僕はそんな人々の中を歩いたり、買い食いをしたりするのが好きだ。 けれど花火大会はなぜか好きになれない。 きっと人が集まりすぎることが好きになれない原因だろう。 他には一緒に見に行く人がいないことが原因なのかもしれない。 でも、どうだっていいことだ。 人から誘われた場合には僕も花火を見に付き合うのだから、僕にとっては花火大会はその 程度の存在でしかないのだ。 右から、浴衣を着た女性が歩いてきた。 今日は地元で花火大会で行われるということで浴衣を着た女性がいてもおかしくない。 しかし、朝の7時から浴衣を着ている女性というのはなかなかいない。 なかなかいないというのは、いるということを否定しているわけではない。 広い世の中だろうと狭い町の中だろうと、いることはいるのだ。 山川のように朝から浴衣を着ている人間は。 「おはよう、北河君」 「おはよう、山川」 「どうかな? この浴衣、どこか変じゃない?」 山川は両腕を上げて1回転してみせた。 浴衣は頭上に広がる青空を一段階濃くしたような青で、金魚の柄がプリントされていた。 帯は朱色で、山川の細い腰に少しだけ厚みを持たせていた。 よく似合っている。けれど、それ以上に気になることがあった。 「髪、切った?」 「おお、やっぱり気づいたね。髪型を変えたことに気づいてくれるのは君くらいだよ」 肩を通り過ぎるまで伸ばしていた髪をばっさり切って、耳が見えるくらいの長さに していれば誰でも気づくだろう。 理由はだいたい想像がつく。でも、聞くのはやめておこう。 「短い髪も浴衣も、似合ってる」 「……ほんと、北河君の優しさが身にしみるよ。持つべきものは友達だね」 僕もそう思う。友人の少ない僕が言うのも変だろうけど。 10 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/28(月) 01 16 39 ID +PHgdO5s 夏祭りは、役場の下にある広場で行われる。 広場に着いたのは8時ごろだったけど、近くにある駐車場にはまばらに車が出入りしていた。 屋台や催しが行われる舞台の設営で広場は大忙しのようで、ダンボールを抱えた人間や クーラーボックスを持った人が走り回っていた。 会場の入り口に立つはっぴを着た男性に聞いたところ、夏祭りのプログラムは9時から 行われるらしい。時計を見ると8時20分になっていた。まだまだ時間がある。 山川が手に持ったうちわを頭の上にかざしながら、喋りかけてきた。 「どうしようか」 「山川はどうしたいんだ? 僕は近くにある図書館に行って本を読みたいんだけど」 「私は小説を読む気分じゃないな。そうだな……」 山川は歩きながら腕を組み、頭上を見上げた。 つられて僕も空を見上げる。太陽から注がれる日光は、時間が経つごとに強くなっている。 とてもじゃないけど、外でぼんやりしながら過ごすには適さない日だ。 「おお、そうだ!」 首を下ろすと同時に山川がぱん、と音を立てて両手を合わせた。 「今からコンビニに行こう」 「僕はそれでいいけど、その後は?」 「大量にお酒を買おう」 「え?」 「北河君にお酒を持ってもらって、私の家で飲むとしよう。うん、それがいい」 反論する気は起こらなかった。 昨日山川に起こった出来事を考えれば、むしろ酒を飲んだ方がいいのかもしれない。 未成年者だから、というのは僕たちの行動を邪魔する要因にはならない。 山川やその他の数人を交えて飲んだことは何度もある。 2人だけで飲む、というのは未だ経験なしだけど。 タクシーを拾い、コンビニで6本入りのビールを3パックと大量のお菓子を買い込み、 山川の自宅へ向かった。 僕の住むアパートよりも新しいアパートで、家賃が少し高いけどそのぶん中は広かった。 そして、意外なことに散らかってはいなかった。 買ってきたポテトチップスとチョコレートをテーブルの上に広げて、つまみながらビールを飲んだ。 僕が飲んだ本数は4本。残りは全て山川が飲んだ。 4本飲んだ時点で僕は飲むのをやめてお菓子をつまむことに専念したのだけど、山川は 台所からビールを持ってきて、また飲んだ。 結果としては僕がお菓子を全部食べて、山川がビールを20本飲んだ時点で眠りに落ちた。 山川の頭の下に枕を敷いて、僕は寝顔を見つめた。 口からよだれを垂らし、頬にビールの跡を付けて、目からは涙を流していた。 山川が着ている浴衣はポテトチップスのカスが付いていて、ビールをこぼした跡が残っていた。 僕には山川の考えはわからない。 また、別れた男性に抱いていた気持ちも分からない。 ただ、山川の行動はこれでいいんだと思った。 11 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/28(月) 01 17 59 ID +PHgdO5s 山川が目を覚ましたのは、夜の7時だった。 僕は山川にまだ寝ていたほうがいい、と言ったのだけど、花火を見に行くと言って聞かなかった。 仕方なく山川の肩を支えてタクシーに乗せて、役場へ向かった。 腕時計の針が8時を1分過ぎたころ、1発めの花火が上がった。 続いて大きな大輪の花が夜空に咲き、同じものがもう一度上がった。 打ち上げ花火の次はパチパチという音と共に金色の光、赤と緑と黄色の光が無数に打ち上げられた。 僕と山川は役場へ向かう階段に座りながら、周りにいる人たちと同じように夜空を照らす 花火の競演を見つめた。 打ち上げ花火が再び打ち上げられる頃になって、山川が口を開いた。 「綺麗」 「綺麗かもしれない」 「私、綺麗?」 「僕の主観では、綺麗なほうかな」 「あの花火と、どっちが綺麗?」 「それを僕に聞くのは間違いだ。僕には花火が綺麗かどうかよくわからないから」 「なんで?」 「僕もよくわからない。たぶん、花火を綺麗だと思う感性が育っていないのかもしれない」 「ふーん」 山川はどうでもよさそうに言うと、僕の肩にもたれてきた。 肩の上に山川の耳が乗っていたが、ビールの酒臭さのせいでムードもへったくれもなかった。 「こんなふうにしてて、私達どう思われるかな?」 「恋人だと思われるかもね」 「だよね。本当は、今日一緒に彼氏とくるはずだったんだけどさ」 「うん」 「なぜか、彼氏の代わりに北河君と来ているわけですが、どうします?」 「なにを?」 山川は僕の肩から頭を離すと、顔を寄せてきた。 「キスでもしよっか」 「君に僕に関する情報を教えてあげるよ」 「なになに?」 「僕は友人と酒を飲むのは好きだけど、酒臭い匂いをさせた友人とキスをするのは嫌いだ」 「ちっ、この意気地なしめ」 「君は彼氏に捨てられたけどね」 「ふん」 山川はそう言うと、空を見上げた。 ただ、首の角度からいって花火よりも上を見つめているように見えた。 僕は、山川の顔から目を離して花火を見つめた。 大きな音を立てられて、付近に住む住民は迷惑じゃないのかな、と思った。 12 :向日葵になったら ◆KaE2HRhLms [sage] :2007/05/28(月) 01 19 59 ID +PHgdO5s 花火の最後の一発が上がってから、山川を送っていくことにした。 ベッドに山川を寝かせてからまた変なことを言われたけど、無視して部屋の電気を消した。 山川から受け取った合鍵で鍵をかけて、アパートの敷地から出る。 家族連れや酔っ払ったスーツ姿の男性、カップル数組とすれ違った。 地面が暗くて、酔っ払った足では上手く歩くことができなかった。 タクシーで自宅のアパート前に到着したのは、11時ごろだった。 201号室の明かりは、なぜかついていなかった。 鍵を開けて部屋の中に入り、電気をつける。 居間のテーブルの上にはビールの缶とお菓子の袋が大量に広がっていて菓子くずが 散らばって、畳の上にビールをこぼした跡まであった。 まるで山川の部屋のごときありさまだった。 さつき姉は畳んだ布団の上に座って、壁にもたれて目を瞑っていた。 僕の部屋を散らかした犯人がさつき姉であることは間違いない。 一言二言文句を言ってやろうかと思ったけど、起こすのもなんとなく気が引けるので、 電気を消し座布団を枕代わりにして畳の上に横になる。 酒がいい感じに回っていて、上手いこと眠りにつけそうだった。 けれど、さつき姉が僕に喋りかけてきたことで目を覚ますことになった。 「ねえ、惣一。どこに行ってたの? 何も言わずに」 「書置きしてたじゃないか。友達と花火大会に行く、って」 寝返りをうってさつき姉の方を見る。 暗くて顔までは見えなかったけど、壁にもたれたままの姿勢でいるようだった。 「さつき姉は、なんでビールなんか飲んだんだよ。しかもこんなに散らかして」 「ん……ごめんなさい。明日、ちゃんと片付けるから」 「忘れないでちゃんと片付けてね」 さつき姉の無言を肯定の意思と受け取った後、気になることがあったので聞いてみた。 「今日はさつき姉、どこに行ってたの」 「えーと……どこ行ったんだっけ。あ、花火を見に行ったんだった」 「そうなの? それなら電話してくれれば一緒に見られたのに」 「ううん、いいのよ。惣一の邪魔するのも気が引けるし、花火は見られたから、よしとするわ」 さつき姉の体が動いた。 壁から体を離し、布団の上に横になったようだった。 「ねえ。花火、綺麗だった?」 過去形ではあるけど、山川と同じ種類の質問だった。 だから、山川に返したのと同じ答えを返すことにした。 「綺麗だった、かもしれない」 「じゃあ、もうひとつ聞くけど……私、綺麗?」 また山川と同じ質問だった。 なんと答えようかと考えているうちに、さつき姉の寝息が聞こえてきた。 僕は考えるのをやめて、もう一度寝返りを打って眠ることにした。
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トーストにはたっぷりジャムを レジェンディア 主にダンジョンにおけるミミー遭遇時に流れるイベント専用曲。 実質的にはミミーのテーマとも呼べる曲となる。 状況が常にコミカルなため、とことんアップテンポで明るい曲調となっており それほど複雑な音階を用いず、木管楽器の単音を使うことでよりシンプルに構成されている。 メインはフルートだが、そのバックでは打楽器でサポートをしており 単調な中にも打楽器のアクセントで抑揚をつける形になっているのである。 ミミーイベントの雰囲気に合わせているだけにこれほどに脱力感に満ち、どんなに肩をいからせた 人間だろうと一瞬で肩の力が抜けてしまうほどの「ゆるい」曲はそうそうあるものではないだろうw この曲を聴いているだけで今にもミミー(CV 神田朱未さん)のずっこけSEと「いたいだパン…」が 思い浮かんでくるほどに作中では必ず転んでいるのである(笑)
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元スレURL 凛「星降る夜になったら」 概要 星降る夜に 卒業した希たちと今年卒業する海未たちと みんなで一夜のドライブに出発にゃー! 参考:フジファブリック「星降る夜になったら」 タグ ^星空凛 ^μ’s ^ほのぼの ^友情 名前 コメント
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50 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 13 35 11 今日もまた5時半に目覚ましが鳴り、僕はベッドから身を起こした。 …ケツが猛烈に痛い。 ジャイアンがゲイだった事には正直驚かされた。 僕は新しい世界を垣間見たが、そちらへ行きたいとは思わない。まぁいたってノーマルだという事だ。 ひとまずこれで、僕がジャイ子にしてしまった過ちは清算された。 ジャイアンは行為のあとすべてを見ずにながし親身に相談にのってくれた。厳しい口調で、だがしっかりと僕の背中を押してくれた。 やはり持つべきものは心の友だ。僕の心に勇気がやどった。 51 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 13 43 18 僕は今、ぺろぺろ倶楽部の前で彼女を待っている。 何時になるかはわからない。明日も仕事はある。早く寝なくちゃいけない。だが、そんな事よりもっと大切な事があるんだ! 午前三時になった。正直キツい。が、立って人を待つ事には仕事柄慣れている。 こうなったら日が登ろうが何時になろうが、いつまででも粘ってやる! そう思った時、店の階段から降りてきたのは僕が待ち焦がれた彼女だった。 53 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 13 53 20 「お~い!し………」 僕が呼びおわる前に、彼女は派手なスーツに身を包んだ3人のコワモテの男たちに囲まれていた。 僕には割って入る勇気などない。ただあとをつける事しかできない。 辿り着いた路地裏では、僕にとって最も見たくない光景が繰り広げられていた。 そのヤクザ風の男たちは、交替でしずかちゃんを犯した。僕の大切な初恋の人に、立ったまま無言で腰を振る。一人がおわれば次の男が腰を振る。 抵抗もしなければ声もあげない。しずかちゃんはもはや奴らにとって「女性」ではなくただの「オナホール」同然であった。 55 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 14 00 44 奴らは何度射精しただろう。 股間から白い液体を垂れ流す無表情の彼女に、奴らは言い放った。 「今日もスッキリしたわ。まぁお前が借金返すまではワシらの肉奴隷やからな!」 「最近締まり悪ぅなってきたぞ!ちゃんとマンコ締める体操でもしとけや、かっかっかっ」 悔しい。助けられない自分が悔しい。恐そうな男に足がすくんでしまう自分が悔しい。 僕はうつむいたまま、その裏路地をあとにした。 56 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 14 09 23 後日、僕はまた剛田商店を訪れた。 ジャイ「よかったのか、ホイホイやってきて。俺はお前を喰っちまった人間なんだぜ」 のび「その事はいいんだよ。何があろうとジャイアンは僕の心の友だからね」 ジャイ「うれしい事言ってくれるじゃねぇの。で、用件は何だ?まさか告白がうまくいかなかったのか?」 僕はジャイアンに、裏路地で見たこと、聞いたことを全て話した。 58 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 14 29 01 ジャイ「なるほど、何もできなかった自分が悔しいというわけか」 のび「ああ、何故あの時立ち向かっていかなかったのか」 ジャイ「のび太、それは違うぞ」 のび「え?」 ジャイ「お前が出ていってボコられたところで誰が喜ぶ?犯された直後のしずかちゃんにお前のどんな言葉が届くっていうんだ?」 のび「…」 ジャイ「お前が貰う予定の莫大なボーナスはそもそも誰のおかげだ?お前は高給取りなんだろう。」 ジャイ「しずかちゃんが借金を返せないならお前が返してやれ。風俗で働かなくてすむように養ってやれ。お前がドラえもんのタイムマシンで見てきた未来を忘れたのか?お前の隣には誰がいた」 のび「…」 ジャイ「いいこと思いついた。お前、今すぐ店にいってしずかちゃんを指名しろ。話はそれからだ。」 60 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 15 03 33 ジャイ「がんばってこいよ!じゃあ俺はハッテ…おっと。行くところがあるからまたな。疲れているだろうしくつろいでけよ。茶は置いておく。」 のび「ありがとうジャイアン、僕頑張るよ。」 発展場へ行くジャイアンを見送り、置かれた麦茶を飲み干した僕はいざ戦場へ向かわんと障子をあけた 「のびた………さ……ん……?」 そこにいたのは、僕の童貞を捧げた女性、ジャイ子だった。 ビリーズブートキャンプで激痩せしたらしく、スレンダーな体と唯一以前から変わらないふくよかな巨乳。 うっすらパーマのかかったショートカットにシンプルな顔立ち。 僕が抱いた頃とは比べものにならないくらい魅力的になっていた。 のび「ジャ、ジャイ子ぉ~~!!」 パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ パンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッパンッ のび「ふぅ…ありがとうジャイ子、自信がついたよ。これで僕も頑張れる!!」 66 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 16 44 52 今僕は、ぺろぺろ倶楽部にいる。 しずかちゃんがいるであろう部屋の前にいる。もう迷う事はない。 「ガチャ」 しず「の・・・・のび太さん。もう来ないでっていったのに・・・」 のび「しずかちゃん、僕と一緒にくるんだ。こんな所にいてはいけない。」 しず「こんな所ですって?私は好きでこの仕事をしているの。チンポが大好きでしょうがないの。」 のび「嘘だっ!!!!!!!!!!」 しず「・・・・。」 のび「僕は君を愛している。小学生の頃からずっと。そりゃ他の女の子に目移りした事もあるし、 抱いた事だってある。けど、やっぱり僕は君じゃなきゃダメなんだ!」 しず「無理よ・・・」 しず「親にも見離され、こんな所で体を売りながら働いているアバズレよ。借金も山のようにある。 もうあなた達とは違う世界の住人なのよ・・・」 のび「借金なら僕がなんとかする!君を養えるだけの生活力はあるさ。」 しず「クスクスクス・・・あの勉強もからっきし駄目でなまけ者だったあなたが? 世の中って不思議なものね。それともまたドラちゃんに頼ったのかしら?」 のび「ドラえもんは関係ない!!!」 68 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 16 56 00 のび「ドラえもんは10年以上前に未来へ帰ったよ。きっともう会う事もない。 今の僕の生活は、僕自身でつくりあげてきた。僕の職業も決して人に誇れるようなものじゃないさ。 医者の鞄持ち、男芸者、色んな事を言われる。」 しず「・・・」 のび「それでも僕は自分の仕事に誇りを持っている。僕はドラえもんのおかげで変わる事ができた。 就職も出来ず、自分の会社を不注意で燃やし、孫にお年玉を50円しかやれないような人生からは逃れる事ができた。 あと僕の人生に必要なのは君だけなんだ!!」 しず「さっきから聞いてれば自分の人生の話ばっかり。私の意志は関係無いのかしら? 相変わらず馬鹿な人。」 のび「・・・」 しず「でもそんなあなたが好きだった。ずっと会いたかった。おちぶれてからもあなたを忘れた事はなかった。 だからあなたの事はきれいな思い出として私の中にしまっておこうと思った。 なのにどうして現れるの?どうして私の決意が揺らぐような事を言うの!!」 のび「僕は君にどんな過去があろうが、誰とどんな関係を持っていようが、全てを受け入れる。 だから僕についてきてほしい。一緒に幸せになろう。」 70 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 17 02 43 僕が言い終わると同時に彼女は泣き崩れた。 僕は彼女をそっと抱きしめる。 しず「のび太さん、これがが私のぺろぺろ倶楽部での最後の仕事よ。 御願い。私を抱いてちょうだい。今までの空白の時間を埋めてちょうだい。」 のび「しずかちゃん・・・」 しず「そして、明日からはあなたのそばにいさせて。こんな借金持ちの汚れた女が本当に図々しいわよね。 それでも私はあなたのやさしさに甘えたいの。」 のび「もちろんさ・・・」 71 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 17 06 36 今僕はとても清々しい気分で岐路についている。 初恋の女の子を抱いた喜び?お嫁さんにできる喜び? もちろんそれもあるが、一番の理由は「やっとドラえもんの目指した未来が実現した」という事だった。 どうしてもニヤけてしまう顔を無理に元に戻し、僕はタクシーを待つ事にした。 ドンっっ・・・・・・・・・・・・・・・ 73 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 17 16 51 脇腹に凄まじい異物感。一瞬何が起こったか理解できなかった。 ゆっくりふり返ると、一人の老人が僕の脇腹にナイフを突き立てている。 現状を理解すると同時に、激痛が走った。 老人「おおおま、おま、お前だなぁぁぁぁ。うちの娘が風俗嬢だなどというくだらん噂を流したのは! きさまがペラペラいらん事を喋ったせいで、ワシの家族は・・・家族は・・・・ う、う、う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」 老人は叫びながら僕の脇腹に2度、3度とナイフを突き立てる。 驚き叫ぶ人々。パニック状態の野次馬。 老人が巡回中の警官に取り押さえられると同時に、僕は地面に倒れた。 76 :1 ◆Lrb7aHG4Ls :2008/06/11(水) 17 27 43 老人「はぁ・・・はぁ 間に合った・・・間に合った・・・・ 私の殺したい奴はこれで全員!!ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!」 警官1「く、狂ってやがる!!おとなしくしやがれ!!」 警官2「おい君!!しっかりするんだ!!救急車を呼んだからな!!何とかもちこたえてくれよ!」 僕は朦朧とする意識の中、救急車で病院へと運ばれた。 そういえばMRになってから、仕事以外で病院に来ることなんて初めてだっけ。 意識を失う直前、僕の目には見慣れた男の顔が映った。 出来杉「野比君、もう大丈夫だ。君の命は僕が絶対に救ってみせる!! 僕の全ての技術とこの病院の全設備を駆使して、君を助ける事を誓う!! だから安心して、今は眠ってくれ。」
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登録日:2009/12/24(木) 01 34 23 更新日:2022/08/08 Mon 13 33 15NEW! 所要時間:約 4 分で読めます ▽タグ一覧 オセロット ジャム ジャムったぁぁぁぁッ!! パン パン工場のおじさん 事故 弾詰まりおじさん 恐怖の白ジャム 戦闘妖精雪風 水瀬秋子 瓶 詰まる 謎ジャム 銃 銃器用語解説 食べ物 食べ物 ←差が激しい→ 事故 ① 朝食がパン党の人なら誰もが持っているパンの相棒。 果実を砂糖、蜂蜜を加えて加熱濃縮して果実や果汁に含まれるペクチンに糖類、酸が作用し柔らかく固まらせた保存可能な食用品である。 種類も豊富で、イチゴ、ブルーベリー、オレンジ、りんご、ぶどう、アンズ、イチジク、ももなどがあり専門店では30~40種類を取り揃えているところもある。 また、オレンジやレモンなどの柑橘類を原料にし、果皮が含まれているものをマーマレードと呼ぶ。 食べ方としてパンを筆頭にクラッカー、ヨーグルト、フレッシュチーズにかけて食べたり、ケーキの原料にもされている。 《イチゴジャムの作り方》 ジャムは簡単に作れる。ジャム好きな人は挑戦しては? 1.イチゴのへたを取り、水洗いしザルにあけて水切り、なるべく深い鍋に入れる。 2.分量の30~100%のグラニュー糖を全体的にまぶして半日放置。 グラニュー糖は量が多いほど保管性が高まる。 暇なヤツはアニヲタの集いを開いて暇つぶしだ。 3.気付いたらもう半日だ。鍋の中をチェック! 水分が出てきたら中火~弱火で30~40分煮詰める。 水は一切入れない。 4.アクが出てくるから丁寧に除去していこう。 適度な濃度になったらレモン汁を加える(だいたい一個分くらい)。 5.熱湯消毒した空き瓶にジャムを詰めていこう。火傷しないようにな。 あとは、空気が入らないように瓶のフタを閉め冷蔵庫に保管で完成。 完成したらすぐにではなく一週間置いた方がうまい。 また秋子さんの謎ジャムについては……。 ② どこかのパン工場で働いてるおじさん。たまに人面パンも焼いたりしている。助手一人とパン一人(?)と犬を一匹飼っている。 ③ 「やばいっ! 敵に見つかっちまった!!」 「くっそおぉぉぉ~ー!!」 バンッ! バンッ! バン! バッ……ガチンッ!! 「ダミィット! クソッ、ジャムりやがった!!」 ザザッ! 「しまっ……!」 このように偶発的に起こる「弾詰まり」「給弾不良」のことをジャムと言う。 つか「詰まる」一般のこと。 交通渋滞はトラフィックジャム。 設計的にオートマチックに多く発生するが、薬莢の変形などでボルトアクションでも起こるりうるとか……。 修理代をケチッたり、メンテナンスを怠ると発生確率が大きくなる。 リロード一発でなおるけど……。 激戦区でのジャムは命取りである。 敵と遭遇 ↓ 撃ち合い ↓ ジャムる ↓ 死亡 笑えません。 こうならないためにも銃を持ったら、メンテナンスを怠らないようにしよう。 まぁ日本で銃持ってたら銃刀法違反で捕まるけどね。 サバイバルゲームでジャムを起こしたら、迷わずこう叫ぼう。 「ジャムったあぁぁぁぁッ!!」 SA80のジャムり方は半端ない。 初期型のM16はこれのせいで欠陥ライフル扱いされた。 ④ 戦闘妖精・雪風に出てくる敵性地球外生命体。 突如として南極に「通路」を建設、フェアリー星から地球に侵攻してきた。 作中でも生命体と呼べるかどうかはっきりしてない……。 ⑤ THE YELLOW MONKEYの代表曲。 外国で飛行機が落ちました。 ニュースキャスターは嬉しそうに 「乗客に日本人はいませんでした」 「いませんでした」 「いませんでした」 の歌詞はあまりにも有名。 まぁ、作曲した吉井和哉が本当に伝えたいメッセージは、その後の「こんな夜は逢いたくて」以降らしいが。 「ジャムと交戦中に俺の愛銃がジャムったからメンテしてくる。その間にジャムパンでも食べつつジャム聴きながら追記・修正しといてくれ」 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] バラのジャムというのをもらったがあまり美味くなかった・・・・なんで同じバラ科の植物なのにイチゴとジャムにするとこんなに差が出るんだ。 -- 名無しさん (2014-02-11 13 34 17) やなせ先生が生きていたころブログで「何でおじさんとバタコさん以外人間がいないのか?』という質問の答えが「あの二人も『パンの妖精』です」というものだった・・・。人じゃなかったんだ。 -- 名無しさん (2014-02-11 14 06 23) ↑2 バラ科以前に花弁と果実という時点でかけ離れてるわ -- 名無しさん (2014-05-04 01 26 24) あんこの代わりにジャムが入った大福とかって無いかな? ・・・すごい手がべたつきそうだけどw -- 名無しさん (2016-09-14 23 41 36) ウィィィィィィィィィィィィス!どうもジャムでーす! -- 名無しさん (2019-03-03 01 29 00) 保存性を高めるために砂糖を沢山入れよう!おいしいし最高だな→カロリー高いんで砂糖抜いたの作りました。保存性悪いんで早めに食べてね。 なんというか本末転倒感ある。まあジャムという食べ物自体が美味しいんで仕方ないんだが -- 名無しさん (2019-05-09 17 44 16) 名前 コメント
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269 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/03/11(木) 18 29 37 ID ??? プルツー「芋の皮を剥くぐらい誰だってやるだろう。 特に女の子は料理ぐらいできなくちゃいけないんだから。 なあ聞いてるのか姉さ…… いないっ!?」 271 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/03/11(木) 20 51 30 ID ??? プル「いいもん、私プルツーと結婚するから♪」 プルツー「姉さん、そこに座れ」 272 名前:通常の名無しさんの3倍 :2010/03/11(木) 21 17 39 ID ??? プルツー「サラダ作ってたことがなかったか? 魚料理に挑戦しようとか言ってたじゃないか」 プル「気が向いた時にやるの~」 プルツー「 い つ 気 が 向 く ん だ 」 プル「やる気になった時~」
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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1340973412/ 京太郎「……」 同僚「京太郎さん……やっぱり……やめちゃうんですか?」 京太郎「ああ……まぁ正直こうなることは分かってたのになあ……」 同僚「すいません……僕のせいで……」 京太郎「いや、まあお前のせいじゃないさ、我慢できなかった俺が悪いんだ」 京太郎「……でもまあ、最後に一つ言っておくと――――――間違っても俺のように上司に頭突きなんかしちゃだめだよ!!」グスン ───── ──── ─── とーか「ふぅ、久々に外を歩くのもなかなか疲れるものですわ」 純「だから言ったろー?いつも通りハギヨシに車出してもらえばいいのに」ゼェゼェ とーか「私の会社がエコ活動に乗り出してしまったんだから社長の私がエコしないわけにはいきませんわ!」 純「だからって東京から長野まで歩いて帰省ってどうなんだ…」 とーか「ああ、我が愛しの故郷にやっと帰って来ましたわよ!」 とーか「あ!純!ほらあそこ!小さい頃遊んだ公園がありますわよ!懐かしいですわー!」キラキラ 純「本当だ、後で衣達呼んでみるか?」 とーか「当然ですわ!今日は目一杯楽しみますわよ!…あら?あれは」 ───── ──── ─── 京太郎「はぁ、会社クビになって実家帰って来たものの、この公園くらいしか居場所がねーなー…」 京太郎「プーか……。このまま家に帰るのもなあ……親の目が冷たいしなあ……」ギーコギーコ 京太郎「はぁ……真昼間からこんな公園でブランコに乗って…………」 京太郎「あとは弁当箱とワンカップでもあれば見た目は完璧だな……ハハ」ギーコ 京太郎「くそっ……なんで俺、あの上司にジダンばりの頭突きかましてんだ……」 京太郎「いくら同僚がボロクソに馬鹿にされてても、見て見ぬふりしとけばよかったのに……」 京太郎「……はぁ、なんで手なんか出しちゃったんだろうな……いや、出したのは頭か……はは……笑えねえ……」 京太郎「咲なんかプロで活躍してるって言うのになあ……俺ってなにしてんだろう……」 京太郎「……帰るか。明日から仕事探しの始まりだし、今日はもう休もう……」 ─龍門淵邸─ 京太郎「すみませんなんか…」 透華「知らぬなかでもありませんし、あのまま放っておくのも目覚めが悪いでしょう?」 京太郎「クビになって最初に逢った人が優しいひとでよかった…」 透華「…! とっ、当然ですわ! 龍門淵の当主として!」 パタパタパタ 衣「とーかおかえりー!」 透華「はいただいま衣」 京太郎「……天江…衣…!?」 衣「…? とーか、この者は何?」 透華「覚えてないかしらね、この方は清澄の高校で麻雀部の雑用係だった…」 衣「あー!! ハギヨシに弟子入りしてた凡人だー!!」 京太郎「ぼんじん……」 透華「と、ともかく、少しお困りのようだったので話しだけでも聞いて差し上げようかと招待しただけですわよ」 衣「わぁーっいわぁーっいハギヨシ2号っ! ハギヨシ2号っ!」 京太郎「……あの」 透華「なんですの?」 京太郎「この“子”……あの天江衣……ですよね?」 透華「えぇ」 京太郎「(…大会や合宿の時には小学校中学年くらいの体格だったけれど……)」 京太郎「(5、6年経ってるはずのいまですらピカピカの中学一年生レベルの容姿ってどうゆうことだよ…!?)」 純「おー、透華おかえりー」 透華「ただいまですわ。でも純、来客中ですわよ」 京太郎「(この人は…俺をタコスを買いに走らせた女…!?)」 純「ん? …ぉおー、見覚えがあるようなないような懐かしい顔だなー」 京太郎「ど、どうも……髪、のばしたんですね」 純「ああコレ? うちのヤツらがもっと女らしくしろっていうからさー」 京太郎「(肩甲骨くらいまでのびた髪…一見ボサボサのままのようだけど、ああいうヘアスタイルなんだっていうのはよくわかる……)」 京太郎「(美人だなぁー)」 京太郎「(メイド服着てるけど)」 衣「ハギヨシ2号! 衣と一緒に遊ぼうっ!」 京太郎「え……うえぇ!? でででも俺、麻雀そんなに強くない…ですよ!?」 衣「麻雀じゃなくてよい。麻雀はいつもとーかが集めてくれる有象無象共と遊んでるから」 京太郎「………」チラッ 透華「ふむ……それもいいかも知れませんわね」 京太郎「は?」 一「──実は最近、衣の世話係を募集していたんだけど、中々いい人材が集まらなかったんだ」 京太郎「(あっ、この声は特徴あるからわかる。たしか部長と当たってた──)」 京太郎「ぶふううぅっ!!」 透華「きゃあっ!?」 純「うおっ!?」 衣「わっ!?」 一「うぇっ!?」 京太郎「なっなななな……ななななっ!?」 一「ん?」 京太郎「(こっ、この子は部長と打った時には衣に劣らずの少女体型だったはず……」) 京太郎「(いや、それは成長したんだろうから別にいいとしても…)」 京太郎「ちゃっ、ちゃんとした服を着てくださいよおぉっ!!」 一「服? ……ああそっか、今日はオフだから私服なんだった」 京太郎「(私服? その水着並みに露出度が高い布切れが?)」 京太郎「(胸やお尻が出てるお陰で“辛うじて引っかかっているだけの生地”が?)」 一「見えそで見えない、落ちそうで落ちないのがロマンなんだよ」 一「べつにボク、このまま衆人環視の中を100メートル走っても大事なとこは見せずに済ませる自信があるよ」 京太郎「凄ェ! でも捕まる!!」 透華「一もいまや『解き放たれた』身、悠々と自適に暮らしていれば言うことはありませんわ」 京太郎「いや、友達! 友達なら一言いってあげて!!」 一「ボク、いまは一応透華の秘書してるよ? 世話係みたいな感じだけど」 純「ちなみに俺はボディーガードみたいなこともしてる」 京太郎「はぁ……さすがお嬢様…」 一「…まぁ? 透華の『秘所』も管理してるといえばしてるんだけど…?」 透華「──はっ、一っ!」 一「あははははっ」 京太郎「(聴こえなかった…)でもあれ? 清澄とはじめて戦ったとき、お付きのメイドさんもう1人いましたよね?」 透華「ともきのことかしら?」 純「ともはメイド服じゃなかったろ」 一「さぁー、思い出せないってことは、初めからいなかったんじゃないのかなぁー?」 京太郎「……そっか、気のせいか」 (歩「ギリッ…!」) 衣「ハギヨシ2号~、はやくぅ~!」 京太郎「あっ、はい! って……えっとぉ…」 透華「…ご迷惑でなければお願いしてもよろしいかしら」 透華「今日はウチに泊まっていけばいいし、先程のお話もまたあとで詳細を……よろしくて?」 京太郎「あ、はい…よろしくお願いします」 一「じゃあ、ボクが途中までついていくね。透華はシャワーでしょ?」 透華「…一、殿方のまえで乙女のスケジュールを読み上げるんじゃありません」 純「乙女って」 一「…言っとくけど、透華まだ“有る”からね…?」 純「…マジで? おまえすごいな…」 一「…大事にしてあげたいんだよ…」 京太郎「(なに話してるんだろう)」 透華「では……えぇと?」 京太郎「京太郎です」 透華「はいはい京太郎さん。……言いづらいですわね」 純「じゃあ“京”でよくね?」 一「Kyoでもいいね、サムライディーパーみたいに」 透華「では京と呼ぶことにいたしましょう」 京太郎「(拒否権がない……まぁ、あだ名みたいなもんか…)」 透華「京さん、また後ほど」 京太郎「はい」 一「じゃあ純、透華のことお願いね」 純「うーっす」 一「……じゃあ、行こっか」ニコッ 京太郎「ひゃ、ひゃいっ!」 衣「うぅ~、はやくはやく~!」 衣「きょーたろーはとくべつに衣のお家に御招待してやろう」 京太郎「あれ…名前…」 衣「名前っていうのは、其を其とするのにとても大事なものだからな!衣はきょーたろーのこときょーたろーって呼ぶぞ!」 京太郎「あ、ありがとう」 衣「えへへ、どういたしまし…まふっ!」ポフン 智紀「あ……衣」 衣「あーっ! ともきだともきだ! ともきが天の岩戸から出てきたー!」 智紀「ちょ……大声やめて……徹夜明けだから……」 一「徹夜明けって…いまは夕方だよ?」 智紀「徹夜明けは徹夜明け……うぅ…廊下の照明がまぶしい…」 京太郎「(この人はたしか染谷先輩と対戦した“はず”の……)」 智紀「………」ジー 京太郎「……?」 智紀「……どうしよう」 一「なにが?」 智紀「イケメンのまぼろしがみえる…」フニッ 京太郎「フガッ!?」 智紀「わっ」 京太郎「(ほっぺ抓られた…)」 一「智紀、この人はイケメンでもなければまぼろしでもない、ただの3次元の俗物だよ」 京太郎「(よし、死のう)」 智紀「………」ジー 京太郎「…?」 京太郎「(…大きな白衣なんか羽織って、まるで研究者みたいだな……あれ? この人って、ロングじゃなかったっけ?)」 京太郎「髪型、変えたんですか?」 智紀「…!?」 京太郎「たしか前に見かけたときは、綺麗な髪をまっすぐのばしてましたよね?」 一「よく覚えてるね」 京太郎「龍門渕の人ってインパクト強いから」 智紀「……どうしよう」 衣「…ともきー?」 智紀「…恥ずかしいからまた籠もる」ウィンピシャンッ 一「ちょっ…!? 智紀! 智紀ー!?」 一「出てきたってことは『仕事』が終わったんでしょ!? だったらちゃんと透華に報告しないと!」 智紀『……あとでする』 衣「ともきー、一緒に遊ぶぞー」 智紀『ごめん……いまはむり』 衣「ぶー」 一「じゃあ…またあとでね? ちゃんと透華に会いに行くんだよ?」 衣「ふんふふんっ、ふんふふんっ」 京太郎「……あの」 一「なんだ?」 京太郎「天江衣…さんて、なんていうかもっとこう、オーラ的な威厳みたいなのを持ってる子…人だったと思うんですけど…」 一「ふふふっ…そうだね、たしかに昔の衣はそういう面が強かったけど…」 衣「みっぎよっし、ひだりよっし、ハっギっヨシ~」 一「あの無邪気さが、本来の衣の魅力なんだと思うよ」 京太郎「そう言えば、世話係って話しがありましたけど」 一「引き受けてくれる気になった?」 京太郎「いえ、確か衣さんの世話係って、『師匠』の役目だったんじゃ…」 一「………」 京太郎「(えっ? なんでそんな沈痛そうな表情? ……ま…まさか…)」 一「ボクたちにも急なことだったんだよ。でも、ハギヨシさんの人生に関わることだから透華も衣も引き止めることはしなかった」 京太郎「(ほ……亡くなったわけじゃないのか…よかった)」 一「ハギヨシさんはいま産休にはいってるんだ」 京太郎「………」 一「どれくらいかかるかわからないから、実質の休職中ってことになるね」 京太郎「……Thank you…?」 一「産休」 京太郎「…師匠が?」 一「男のひとにも産休はあるよ?」 京太郎「マジで!?」 一「ボクたちの中でお父さん成分は純でたりてるけど、やっぱり男の人が居ないのは問題だからね」 一「後任者を探してたところなんだよ」 京太郎「お父さんというか姉御のような…って、だったらますます俺である必要が無いじゃないですか!」 京太郎「俺は師匠みたいに何でも出来たりしない、平々凡々なパンピーなんですよ!?」 一「うん、それは知ってる」 衣「言わずもがなだ」 京太郎「…こ、衣さんまで…」 一「でも、誰でもいいってわけじゃないんだよ」 一「知っての通り透華や衣はお嬢様だし、智紀も透華が任命していまや龍門渕の技術開発部長なんて肩書きがあるし」 一「純も何だかんだで女の子だしね、『安心できる人』を探すのは結構大変なんだよ?」 京太郎「…そう言えば、これだけ広い豪邸なのに他の従業員さんが居ないような…」 一「うん。透華の意向でね、朝早く来てくれるメイドさんたちは、夕方には上がってこの家にはボクたちしか居なくなるんだ」 京太郎「不用心じゃないですか?」 一「セキュリティーに関しては、問題ないよ。智紀が考えて、組んで、造ったガードシステムがフル活動してるから」 一「でも、それでも心にある不安感はぬぐえないんだ」 衣「…ハギヨシはずっとそばに居てくれたから、いないと寂しいのは事実なんだ…」 一「それは衣だけじゃなくて、ボクたち全員がそう」 京太郎「……でも、俺なんかじゃあの人の代わりにはなれないですよ」 京太郎「今日だって、上司に頭突きして悶着起こしたうえにクビになったような男ですし…」 衣「──代わりなんていらない」 京太郎「え?」 衣「ハギヨシはハギヨシだ、だれも代わりになんてなれない、なれる筈もない」 一「そう。ボクたちは“キミ”を必要としてるんだよ」 京太郎「キミがどんな人なのか、何がキライで何がスキなのか、それはまだわからないことばかりだけど…」 一「でも、キミは根っから悪いことが出来ない人だ」 一「…ボクは人生経験上色んな人を見る機会が多かったから、なんとなくわかる」 一「…丁度ほら、清澄の眼鏡かけた人の才能の、人間版だと思ってくれればいい」 京太郎「(染谷先輩の人間版……)」 京太郎「……それだけで、俺を信用するんですか?」 一「“あの”透華が、初対面に近いはずのキミに、随分と親切だったよね?」 一「透華は敵と味方の判別を本能的にできる人だから、それも理由の一つかな」 京太郎「…他にも?」 一「他にはあれだよ。…キミ、いままで彼女いたことないよね?」 京太郎「……ガフッ!」 衣「きょーたろーが倒れたー!!」 一「ご、ごめんね?」 一「でもさ、あれだけ可愛い子たちに囲まれて青春を過ごしたはずなのに、彼女が出来なかったって云うのは凄いことだと思うんだ」 京太郎「…な、なぜ彼女いない歴=年齢だと…?」 一「さっきと一緒だよ」 京太郎「(そ、染谷先輩人間バージョン…………これだと普段の染谷先輩が人外みたいだな)」 一「きっとキミは、誘惑や欲望なんかに負けない強い自制心や精神力をもってるんだ」 一「それは、世話係として住み込みで働いてもらうにはとっても重要なことなんだよ」 衣「きょーたろーは変態なんかじゃないとおもう」 一「女の子だらけの空間に四六時中。でもキミ…京太郎なら、それはさしたる問題じゃないよね?」 京太郎「(いえいえいえいえいえいえ!? 問題ですよ大問題ですよ!!?)」 京太郎「それはただ、俺がブサメンでモテなかっただけですよ…」ヨロヨロ 衣「立てー! 立つんだきょーたろー!」バンバン 一「あはは、そんなはずないよ!」グイッ 京太郎「!?」 一「……それじゃあ、キミがいままでモテなかったのは『星の廻りが悪かった』ってことにしよう」 一「あるいは、『ツキから見放されてた』でもいいよ?」ニッコリ 京太郎「(かかか顔がちかかっかかか…!!)」 一「──ほら、見える? ボクのタトゥーシール。ちょっと見えにくいけど、星のマークなんだよ?」クイッ 京太郎「(むむむ胸ねねねおぱおぱぱ…!!?)」 一「ツキは…ね?」 衣「──衣がいるから『月』はいつでも一緒だきょーたろー!!」ムギュウ 京太郎「(やわわやわやわ柔らかかかかっ…!!)」 一「衣でも反応するんだ……面白い人だなぁ…」 衣「はじめそれはどういう意味なんだ」 衣「ここが衣の部屋だー!!」 京太郎「すごい……別宅っていうのか…?」 一「近いかもね。もとは透華の両親が衣を隔離する為に造ったものみたいだけど……」 一「長年暮らして愛着もわいてるみたいで、名実ともにここは衣の部屋ってわけさ」 京太郎「ほぇ~…」 一「……気がついてる?」 京太郎「えっ? なな、なにを?」 一「京太郎はいま、『女の子の部屋』に入ってるんだよ?」 京太郎「なっ…!?」 衣「きょーたろー! 此方こっちだー!」 京太郎「あ…はい!」 一「ふふふ…。じゃあ、あとでまた見にくるから」 京太郎「ははい! 了解であります!」 一「……衣にヘンなことしちゃダメだからね?」 京太郎「しませんよ!!」 京太郎「さてと…」 衣「きょーたろー!!」 京太郎「はい!?」 衣「なにする!? なにして遊ぶ!? とーかが買ってくれたから何でもあるぞ!」 京太郎「んと……とりあえず、お話しでもしませんか…?」 衣「お話し……落語か怪談か?」 京太郎「いえいえ。もっとこう、お互いのことなんかを」 衣「───」 衣「………」テレテレ 京太郎「あれ? なんだこの反応」 衣「そ、それはあれか…? 『あとは若い2人で』と言われてから『ご趣味は?』と始まるあの…」 京太郎「お見合いがしたいわけではなくてですね」 衣「違うのか…」 京太郎「お世話係……正直ちょっとグラついてます」 京太郎「でも、肝心の衣さんが“俺のことを何も知らなかったら”、なってすぐにでも幻滅しかねないじゃないですか」 衣「むぅ、きょーたろーそれは失礼千万というもの。衣は善悪良悪を見極めることくらいできるぞ!」 京太郎「……そんな褒められたようなヤツじゃないんですよ俺は」 衣「じゃあ衣が誉めてあげる!」 京太郎「はい?」 衣「きょーたろーが衣のお世話をちゃんと出来る度に、衣がきょーたろーを誉めてつかわす!」 衣「ナデナデでもお腹ワサワサでもムチでバシバシでも何でもいい! きょーたろーの好きなご褒美をあげる!」 京太郎「最後のはない」 衣「…で、でも……」 京太郎「?」 衣「接吻だけは、いくらご褒美でもあげられないよ…?」 京太郎「──ゴフッ、…カハッ…!」 京太郎「はい角取った」 衣「いやあぁぁ…!」 京太郎「ほいっ、ほいほいっと……はい黒だらけで俺の勝ちっと」 衣「ま、また衣の負け……何故? 直感にまかせてみても負けるのは何故なんだ…?」 京太郎「黒は勝ちに行きやすいんだよ衣さん」 衣「なっ…!? それを知っていて黒ばかり選んでたのか! こうして衣を辱めて苦悩させるために!?」 京太郎「衣さんが『まっしろ満月』っていって白ばかり選んだんじゃないですか」 衣「てへぺろ」 京太郎「どこで知ったそんな俗ネタ…」 衣「………」 京太郎「…? 衣さん?」 衣「それだ」 京太郎「はい?」 衣「何故きょーたろーは衣に“さん”を付けて喋るのか。友達はそんな他人行儀にするものではないと思う」 京太郎「いや、だって龍門渕のみなさん俺より年一つ上ですし…何よりほぼ初対面じゃないですか」 衣「年功遵守大義。でも衣はもう“こども”扱いされて怒る齢でもないけど、実年齢より若く見られるのには馴れている」 衣「だから、きょーたろーも歳の差なんて感じなくてもいい。観たままに感じたように私に接してくれればいい」 京太郎「とは言ってもなぁ……」 衣「この家に於いても、衣が一番年上だけど誰も敬ったりはしない」 衣「清澄の咲たちも、“ちゃん”は付けこそすれ喋り方はきょーたろーほど遜ってなかった。それらは全て友達、家族だからだ」 京太郎「(その咲たちと何一つ肩を並べるものがない俺……プライスレス)」 衣「──そうだ!」ガタッ 京太郎「!?」 衣「親睦を深めるには同じ杯のジュースを飲めばいいって誰かが言ってた!!」 京太郎「それはヤのつくお家の人たちでは…」 衣「まってていま取ってくるー!」ピュー 京太郎「………」 京太郎「………」ソワソワ 京太郎「……スンスン」 京太郎「………」ムラムラ 衣「とってきたー!」ピュー 京太郎「おお……甘酒?」 衣「これをこのコップに注いでぇ…」トクトクトク 京太郎「(杯ではなくただのガラスコップ…!!)」 衣「──ほら! これを飲めばきょーたろーも衣の家族だ!」 京太郎「…では一口」グイッ 衣「………」フンスフンス! 京太郎「──けっこうなお点前で…」プハァ 衣「よし! なれば次は衣の番だ!」グイッ 京太郎「……あ」 衣「──ぷはあぁぁっ!」 京太郎「(おやじくさい…)あ、あの衣さん」 衣「なんだ? まださん付けなのか?」 京太郎「いや、よく考えれば…いやよく考えなくてもコレって……」 衣「?」 京太郎「関節キスだなぁって……」 衣「………」ポクポクポク 衣「!!」チーン! 衣「あうあわわぅあわぅわ…」 京太郎「(あとこの場合、親役の衣さんから飲み始めるものなのでは…?)」 衣「こっ、ころもは成人してるから、口吻と口吻の接触なんて日常茶飯事! この程度のこと気にしない気にすることはない!」 京太郎「えっ?」 衣「えっ?」 京太郎「よくキスするんですか?」 衣「黙秘」 京太郎「爛れてる…」 衣「と、とーか達だとーか達! 挨拶代わりにちょっとチュッてするだけだもん!!」 京太郎「なにそれ混ぜてほしい」